間もなく新作モーターサイクルコートの型紙を販売開始致します。その前に、このパターンにぴったりのおすすめ生地をいくつかご紹介します。
今回は日暮里にお店を構える岩瀬商店様に全面的にご協力を頂きましたので、その中からいくつかピックアップして種類ごとにご紹介いたします。
綿生地/綿麻生地
【秋冬におすすめ】
1.コットンチノクロスエメリー起毛
<おススメ!>

エメリーとはサンドペーパー等で擦って起毛させる加工の事です。ピーチスキンのように滑らかな微起毛加工が施されており、手触りは柔らかく温かみのある生地です。しっかりとした厚みもあり風も通さないので、秋冬の裏無しコートにぴったりだと思います。試作のアーミーグリーンの生地と同程度の厚みなので若干重さは出ますが、柔らかいので扱いやすい生地だと思います。家庭用ミシンでも縫えますが、パワーの弱いマシンだと縫えない箇所が出てくるかもしれません。その際は衿ぐりはミシンではなく手まつりにする等して対応してみて下さい。後日こちらの生地でもサンプルを作成し、岩瀬商店さんの店舗で展示して頂く予定です。サンプルが完成したら追ってお知らせいたします。
2.8オンスインディゴデニムW幅
<おススメ!>

岩瀬商店さんが得意とするデニムから。家庭用ミシンでも扱いやすい8オンスデニムです。バリバリとした固さはありません。ライトオンスデニムはジャケットやライトコートにぴったりの素材。デニムはあまり季節を問いませんので通年で利用できます。カラーは濃いインディゴブルー。10オンスデニムよりも濃いブルーです。デニムは色落ちしますので初めに何度か洗ってから使用すると良いです。
3.10オンスインディゴデニム

4.コットンチノクロス
<おススメ!>

こちらはweb未掲載の商品です。1.エメリー起毛や5.チノクロスよりもやや薄手で、幾分か糊が効いている印象がありますのでパリッとした仕上がりになります。こちらも風を通しにくく、秋冬の裏無しコートやジャケットに向いています。家庭用ミシンでも縫いやすい生地です。
5.コットンチノクロスベージュ


こちらは試作アーミーグリーンのモーターサイクルコートで使用した生地の色違いです。しっかりとした織りと厚みがあり生地も滑らかで、チノパンやタイトスカートにとてもおすすめの厚さです。着丈の長いコートだと少し重みが出ますが、真冬でも裏無しの綿コートを着たい方にはおすすめしたい生地です。ミリタリーグリーンで作成すると、本家モーターサイクルコートのデッドストック版のような仕上がりに。少し厚みが出ますので、職業用ミシンもしくはパワーのある家庭用ミシン推奨です。ベージュもミリタリーグリーンもwebサイトで購入出来ます。
【春先におすすめ】
1.綿サテン

こちらもweb未掲載商品です。秋の入り口や春先におすすめ。かなり控えめですがサテンのような光沢がありますので、品良く綺麗目にまとまります。コートとしてはかなり薄手ですので、ビッグシャツを羽織ったようなライトな仕上がりに。初めて大物に挑戦するという方はこのような軽い生地から取り組むと取り回しがしやすいです。パワーの弱い家庭用ミシンでも楽に縫えます。
※掲載時点では画像に「色展開有り」と記載しておりましたが、こちらの商品は1色のみとなります。何卒ご了承くださいませ。画像も修正致しました(2021.11.19追記)
2.コットン平織ブルー

洗い込んだ薄手キャンバスのような生地です。平織りなのでチノクロスのような艶感はありませんが、質感は厚いシーチングのような素朴な風合いでナチュラルな雰囲気の仕上がりになります。こちらもとても縫いやすく、初めて大物に挑戦する方におすすめです。紺色に近い上品なブルーは春先のマリンコーデにぴったりですよ。
3.コットンチノクロス

こちらは2.コットン平織りよりも更に柔らかく滑らかな仕上がりの生地です。チノクロスでこの柔らかさは希少です。落ち感があるのでフレアたっぷりのスカートなどにしても綺麗なドレープが出ます。webには色違いの赤が掲載されています。生地も軽いのでとても扱いやすいと思います。
4.コットンリネンキャンバスナチュラル生成

こちらも洗いをかけた綿麻キャンバスのような風合いの生地。リネン特有のざらりとした風合いを残しつつも綿の柔らかさを加えたとても縫いやすい生地です。この生地で作るのであれば、完成後に何度も洗いをかけて、あえてくたくたになるまで育ててみて下さい。こなれてきたころには手放せない1着になっている事と思います。
5.コットン無地バニラン

バニランはドビー織りの一種です。織りは粗めで少しほつれやすいので、ゆっくり縫い進めるタイプの方は最初に裁ち端を全てロックミシンで始末してしまった方が無難です。ハリは少なくシワも目立たず、特有の凹凸がさらりとしていて春先に長袖のTシャツの上にバサッと羽織って着たくなる、そんな生地です。無地ですが、くたりとしたとても良いニュアンスを醸す洋服になりますよ。春から夏にかけてワンピースやスカートにも。こちらはweb上に複数の色展開がございますので、ぜひそちらもご覧になってみて下さい。
ウール生地
1.ウール無地グリーン

洗いをかけたようなビンテージ感のある軽いウール生地です。それほど厚みも無く縫いやすい生地ですが、少し風を通すので裏地を付けた方が着やすいかと思います。モーターサイクルコートは裏無し仕様ですが、裏地用パーツセットは追加パターンとして販売予定です。
2.ウールフラノ杢調
<おススメ!>

ウールの定番生地、フラノです。フラノはアイロンのアタリも出にくく、ウールを初めて扱う方にもおすすめ出来る大変扱いやすい生地だと思います。生地の厚さも程々ですので、ウールで裏無しで作成するのであればフラノがおすすめです。真冬にも着るのであれば裏付きで。
3.ウール綾織無地ベージュ

中肉ウール・綾織り・微起毛、ウールサキソニーかと思います。厚みは2.ウールフラノと同程度。起毛しているのでフラノよりもわずかに微厚といった感じです。とても柔らかく優しい風合い。コート全般におすすめです。こちらも裏付き・裏無しは着用シーンに合わせて選択してください。
4.ウール先染グレンチェック

光に充てるとチェックが浮き出てくるような、黒1色のチェックです。写真では少し光っていますが、テカリの無い鈍い艶感がとてもとても品の有る生地だと思います。厚みはフラノを中肉とすると薄手~中肉の間くらいです。この生地を使用するのであれば、身頃の要所要所に芯を入れて裏地を付け、余計なステッチは入れずに端正な顔立ちに仕上げてみましょう。厚みが無いのでコートの着丈を伸ばしても良いと思います。難易度は上がりますがキリリとした大人スタイルの完成です。
5.ウールライトメルトンネイビー

メルトンとしてはやや薄手、ライトメルトンです。こちらの生地はピーコートのように裏無しで仕立てられるかと思います。ライトメルトンとは言え少し厚みがありますので全体的にボリュームが出るのですが、厚みのあるコートのウエストをギュッと絞って着るスタイルが良く似合うと思います。
まとめ
おすすめマークは今の時期に裏無しで作成するのにちょうど良いものに限って付けました。ウール類は全般的に裏地を付けた方が着心地が良い場合が多いので、後ほど販売予定の裏地パーツセットと併せてご利用いただくと便利だと思います。裏地パーツセットはもう少しお待ちくださいませ。
web未掲載の商品は岩瀬さんの方でwebに商品ページを追加してくださるそうですので、遠方の方は時折通販サイトをチェックしてみて下さい。
ご存知の方がほとんどかとは思いますが、日暮里の生地屋さんは基本的に売り切れ御免システムです。そのかわりお買い得生地が目白押しなので、欲しい生地があったらとにかくその場で確保をおすすめします。お店がかなりの尺を確保していない限り、次に行った時にはもうありませんのでお早めに。
岩瀬さんのご厚意により、モーターサイクルコートをお店の隅っこに少しの期間展示して頂ける事になりましたので、この機会にぜひ日暮里にある岩瀬商店さんに足を運んで私が作成したサンプルコートを裏までひっくり返してご覧になってみて下さい。コートの展示期間はサンプルが完成したら追ってお知らせいたします。そして生地の事は生地屋さんがとても良くご存知です。お店の方と話しているだけでも知識が深まりますよ。「これこれこういうアイテムを縫いたいんだけど」と相談すれば積みあがっている生地の中からちょうど良いものを探してきてくれます。ネットでのお買い物もとても便利ですが、どんな生地を選んだら良いかよく分からないという方ほど機会があったらぜひ日暮里へ。
↓webサイト
↓実店舗
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